side.??
「幻郷」にある城の庭。
そこにある、ひときわ大きな林檎の木。
少女はそれに登り、城の様子を見ていた。
…メイドも執事もみーんな走って、大きな声をだして叫んでる。
ふふ、面白い。
ホントはこーゆー時にイタズラしたいんだけど…。
そんな事したら、後が怖いもんね。
我慢、我慢。
「…何処……!…様、……っ!??」
不意にどこからか、声が聴こえてきた。
…多分、リヴァかな。
声がするのは、私の部屋がある塔の方角。
…目を凝らしてみると塔の窓に人影が見えた。
あれ…?そこからは少し距離があるんだけど…さすがリヴァ…。
side.リヴァ
時は少し戻り、お城にある塔の中。
老人が螺旋階段を昇っていた。
「姫様ー!??何処におられますか!?…姫様ぁー!!」
…まったく、姫様もひどいお方だ。
この姫様専属メイド「リヴァ」は今年で80歳になるというのに…。
毎度毎度、こんな長い螺旋階段を昇らせるなんて!
そりゃ、姫様は羽がおありですし、楽ちんでしょうが…私はただのエルフですから…きついのなんのって…はぁ。
しかも今日は、姫様のための「誕生日パーティー」の日だと言うのに。
リヴァは階段の途中にある小さな小窓から、城の庭をみた。
そこから見えるのは、姫様が気に入られている大きな林檎の木とパーティー会場の大広間。
あぁ…皆大変そうだ…。
今頃、姫様がいなかったら私はあの中の1人だったのだろうか…?
私は誓ったのだ。
あの日から、私は姫様にこの命を捧げると。
そう、あの日もこんなよく晴れた日だった。
下っ端メイドだった私は、花瓶のお手入れをしていた。
それは奥様が気に入っている特別な花瓶で…
私は花瓶を割らない様にと必至で、近づいてくる走る足音に気づかなかった。
ーーー…ガシャンッ
鈍い音と共に花瓶は砕け散った。
普通なら、ぶつかった方に過失があるのだろう。
だが、運悪くぶつかってきた人は烏ノ財閥…大切な取引先の子供だった。
私の言い分など聞いてもらえず、退職手続きと花瓶の賠償金…そして烏ノ財閥への謝罪が要求された。
そんな時だった。
あの時、花瓶を割った場面を見ていたメイドに話を聞いた姫様が言って下さったのだ。
「この者は、これから私専属のメイドよ!よって、この者の過失は私が全責任を持つわ。」
ーー…と。
もちろん、勿体無い話だと断った。
何より姫様が私なんかの事をかばい、罪を背負うなど…
だが、姫様は無邪気な笑顔で言って下さったのだ。
「気にすることないわよ。私は、貴方の言い分も聞かず責任を被せる烏ノ財閥が許せないだけ。それを黙認し、話を進めるお父様も。」
「…それに丁度、メイドが欲しかった所だしね!」
その日以来、決めたのだ。
この人に私の一生を捧げようと…。
ーー…あれから14年の月日が経った。
今日は姫様が20歳になられる、大事な成人の儀式が行われる「誕生日パーティー」。
……確か、国王様からの「姫様への贈り物」は例年にも増して素晴らしい物だと聞いた。
一体どんな物なのか?
窓から少し顔をだし、休憩がてら「姫様への贈り物」について考えようとした時だった。
………ん?…あれは…。
林檎の木を見ていたリヴァは、木の上にいる小さな人影を見つけた。
遠くてよく見えないが、あの姿形は間違いない…!
「…あぁぁぁ!??何処におられるかと思ったら!!姫様!早くお戻りになって下さい!パーティーが始まってしまいます!!」
姫様はこちらをチラと見ると、やれやれと言うようにため息をついてパーティー会場へと向かって行って下さった。
…ふぅ。
さぁ、私も向かわねば。
「誕生日パーティー」の会場へ。
「幻郷」にある城の庭。
そこにある、ひときわ大きな林檎の木。
少女はそれに登り、城の様子を見ていた。
…メイドも執事もみーんな走って、大きな声をだして叫んでる。
ふふ、面白い。
ホントはこーゆー時にイタズラしたいんだけど…。
そんな事したら、後が怖いもんね。
我慢、我慢。
「…何処……!…様、……っ!??」
不意にどこからか、声が聴こえてきた。
…多分、リヴァかな。
声がするのは、私の部屋がある塔の方角。
…目を凝らしてみると塔の窓に人影が見えた。
あれ…?そこからは少し距離があるんだけど…さすがリヴァ…。
side.リヴァ
時は少し戻り、お城にある塔の中。
老人が螺旋階段を昇っていた。
「姫様ー!??何処におられますか!?…姫様ぁー!!」
…まったく、姫様もひどいお方だ。
この姫様専属メイド「リヴァ」は今年で80歳になるというのに…。
毎度毎度、こんな長い螺旋階段を昇らせるなんて!
そりゃ、姫様は羽がおありですし、楽ちんでしょうが…私はただのエルフですから…きついのなんのって…はぁ。
しかも今日は、姫様のための「誕生日パーティー」の日だと言うのに。
リヴァは階段の途中にある小さな小窓から、城の庭をみた。
そこから見えるのは、姫様が気に入られている大きな林檎の木とパーティー会場の大広間。
あぁ…皆大変そうだ…。
今頃、姫様がいなかったら私はあの中の1人だったのだろうか…?
私は誓ったのだ。
あの日から、私は姫様にこの命を捧げると。
そう、あの日もこんなよく晴れた日だった。
下っ端メイドだった私は、花瓶のお手入れをしていた。
それは奥様が気に入っている特別な花瓶で…
私は花瓶を割らない様にと必至で、近づいてくる走る足音に気づかなかった。
ーーー…ガシャンッ
鈍い音と共に花瓶は砕け散った。
普通なら、ぶつかった方に過失があるのだろう。
だが、運悪くぶつかってきた人は烏ノ財閥…大切な取引先の子供だった。
私の言い分など聞いてもらえず、退職手続きと花瓶の賠償金…そして烏ノ財閥への謝罪が要求された。
そんな時だった。
あの時、花瓶を割った場面を見ていたメイドに話を聞いた姫様が言って下さったのだ。
「この者は、これから私専属のメイドよ!よって、この者の過失は私が全責任を持つわ。」
ーー…と。
もちろん、勿体無い話だと断った。
何より姫様が私なんかの事をかばい、罪を背負うなど…
だが、姫様は無邪気な笑顔で言って下さったのだ。
「気にすることないわよ。私は、貴方の言い分も聞かず責任を被せる烏ノ財閥が許せないだけ。それを黙認し、話を進めるお父様も。」
「…それに丁度、メイドが欲しかった所だしね!」
その日以来、決めたのだ。
この人に私の一生を捧げようと…。
ーー…あれから14年の月日が経った。
今日は姫様が20歳になられる、大事な成人の儀式が行われる「誕生日パーティー」。
……確か、国王様からの「姫様への贈り物」は例年にも増して素晴らしい物だと聞いた。
一体どんな物なのか?
窓から少し顔をだし、休憩がてら「姫様への贈り物」について考えようとした時だった。
………ん?…あれは…。
林檎の木を見ていたリヴァは、木の上にいる小さな人影を見つけた。
遠くてよく見えないが、あの姿形は間違いない…!
「…あぁぁぁ!??何処におられるかと思ったら!!姫様!早くお戻りになって下さい!パーティーが始まってしまいます!!」
姫様はこちらをチラと見ると、やれやれと言うようにため息をついてパーティー会場へと向かって行って下さった。
…ふぅ。
さぁ、私も向かわねば。
「誕生日パーティー」の会場へ。