ケータイ小説 野いちご

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君と願ったたった一つのもの

好きになった人

高校一年生の夏。





その恋は突然やって来た。





「あーまた雨…」





その日もまた、雨だった。





最近はそう、毎日が雨ばかりで憂鬱だった。





「今年の夏、雨すごいなー」





この子は友達の山下 陸登。





んー、てか。





友達と言うか、幼なじみ。





「そうだね…」





下駄箱の前で雨を二人眺めていた。





「美来、傘」





傘…と、言われましても…。





「ないし」





「はっ‼︎⁇」





「今日は持ってきてないしね⁇」





「おいおいマジかよ、しっかりして」





「いや待って⁇陸登は⁇」





「持ってこねーよ、荷物になる」





「なにそれ」





じゃあ今日…濡れて帰るの…⁇






絶対やだ‼︎





家まで遠いのに‼︎





「雨が止むまで待つか」





「ばっかじゃないの‼︎⁇私は早く帰りたいのー‼︎」





「知るかよ‼︎てか、傘持ってきてねーのが悪いんだろ」





「陸登だって持ってきてないじゃん‼︎」





「オレいつもだし」





「もうっ‼︎役に立たな…」






って、私が言いかけた時だった。






「はい。…これ」






…え⁇






そこには傘を手に持った男の人がいた。






「濡れるなら、これ貸すよ。二人で仲良く使ってね」






それだけ言って男の人は違う傘を指し下駄箱を出ようとした。






「あ、あのっ‼︎」






とっさに呼び止める。






「ん⁇」






その人は優しく微笑んだんだ。






「ありがとうございます‼︎」






私は大きな声でその優しい笑顔に向かって言った。





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