_なんでこんな日に限って空はこれみよがしに晴れるかな。



天候の神様とかいたらブン殴ってやりたい。



ていうかもう帰りたい。



いや、今ここで帰ったら私…ちがう俺、は何をしにきたことになるんだ。



んー先生?話長くないですか?



いつまで待たせる気だよ仲良くしましょうとかそういうのいらないから本当むしろ目立たずに過ごさせてください。



「おい、入れー」



びびったー。



いきなりドア開けるとか反則でしょ。



心の声聞かれた?とか思ったわコラ。



当たり前だけど聞かれてないってわかると今度は緊張してきたよどうしよう。



手のひらに人って3回かくべきだった。



ここにいるのは全員かぼちゃと玉ねぎ。



…あれ。手のひらにかぼちゃと玉ねぎってかくんだったっけ?もうなんかわけわかんなくなってきたよこんちくしょー。



「も、元井、琉夏です。よろ、よろしくお願いします」



「転校生の元井だ。仲良くしてやってくれ。えーと、あああそこ。空いてる席座ってくれ」



…大丈夫だったかな。



緊張し過ぎて全然自分の声が聞こえなかった。



なんか、平凡なクラスだなーまあいいんだけど。



俺の隣は…と、





わ、すごい美人。冷たい目の美人。





たぶん声に出したら『褒めてるの?褒めてないの?』って怒られそう。



もちろん褒めてる。



むしろ美人は目が冷たいくらいがいい気がする。くーるで。



いや別にそういう趣味はないけど。



自己紹介は、一応したほうがいいかな。




【誰にでも自己紹介をする】




転入生の基本だと思う。



というわけで、



「あの、元井琉夏です。よろしく」



「…」



ギロっと睨まれただけで見事にスルーされた…と思いたい。



うん。



軽く舌打ちされたのは俺の自意識過剰だよたぶん。