「悠斗君!今夜の晩御飯の材料買って来て〜」
俺に声を掛けるのは俺の母義さん。父さんの再婚相手で、とても優しい。そんな母義さんには俺と同い年の娘がいるらしい。一度でいいから会ってみたいな…
そんなことを考えながらボーッとしていると、
「悠斗君?」
母義さんの声でハッと我に返る俺。
「ごめん。ボーッとしてた。何買って来たらいいの?」
母義さんは少し呆れた顔をして、俺にメモを渡しながら言った。
「メモに書いてある材料、買って来てね?」
「あ、うん。行ってきます。」
俺は、出かける準備をしてドアを開け
た。しかし、俺はドアを開けたことに後悔した。
「なんでお前らが俺の家の前にいるんだよ…」
ドアの前にいたのは運動部の各部長数人と、女子だ。
「頼むって!今日試合なんだよ!」
「ハァ?俺の部が先なんだよ!」
「こんなバカはほっといてさ、ウチらとどっかいこーよ!」

いつもこーやって追いかけまわされる。俺はこいつらから逃げるために一度家に戻ってから裏口を出て裏ルートで行く。

「はあ…もうめんどくせーな…」

いつも通り家に戻ろうとすると、
「悠斗君!どこ行くの?」
という女子の視線が痛い…
しょうがない…表から逃げよう…
「あ、UFOだ!」

俺は空に指差してそういった。アホな奴らは全員上を向き、「え!?どこ!?」と言った。その隙に俺は家のフェンスを跳び越えた。