「ちょ、ちょっと…瀬戸さん?!」


夢みたい。


突然、俊介が目の前に現れた。

もう会えないと思っていたのに。


「ほら、カゼ引きますよ」


涙を拭って、私は頷いた。

今日は顔が酷いのに、もうどうでもよくなる。
俊介と一緒にいられる。

それだけで、溢れそうなくらい胸がいっぱいになった。


5分くらい歩くと、彼の住むマンションに着いた。駅も大学にも近い場所なんだと、心で思いながら後をついていく。



潔癖症なくせに、私が上がっても大丈夫なのか…

俊介は、温かいスープとタオルを用意してくれた。

ストーブの前に暫く座って、だいたい髪も服も乾いて。

ほっと一息ついた頃…


「…大丈夫ですか?」


俊介が私の隣に座って、顔を覗く。


「色々、ごめんなさい」


「色々とは、何ですか?」


ポカポカとする頬が、更に熱を持っていく気がした。


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