《愛空サイド》
『俺、愛空のこと好きになってもうたわ』
榎本くんの言葉が頭の中をぐるぐる回る。
榎本くんのことだからきっと、遊び半分で言ったんだろうけど。
でも……なんで……なんでこんなに……。
「気にしてるのかな……私」
「なにを気にしてるの?」
次の日の休み時間、アカリがポツリとつぶやいた私の顔を覗き込んだ。
ビックリして思わず、イスから落っこちそうになった。
「うわっ!あ、アカリ……驚かさないでよ……」
「いや、さっきからずっと愛空のこと呼んでるんだけど?どうしてそんなにボーっとしてんのよ」
「あっ、ごめん……」
全然気が付いてなかった。
「もしかして、榎本くん関係?」
「えっ」
な、なんでわかるの!?