私の恋が動き出した日は
とてつもなく暑くてだけど
どこか怪しげな匂いを漂わせている…そんな日だった。

私、矢ケ崎 凛 と真田 聖人が
蝉が煩い放課後の教室で2人きり。

私達は幼稚園からの幼馴染、と言っても認識し始めたのは小6の頃だけど。

その頃に私はくしゃっと笑うせいじに惹かれていった。

そして、現状は小6から中2まで
何度告白されても皆を断り絶賛片思い中であったが、今日やっと告白する決心がついた。

「せいじ。ちょっと話があるんだけど…時間いいかな?」

「ん、だいじょうぶ。」

いつも通り彼がが私に接してくる淡々とした様子で頷いた。

* * *

胸の鼓動がやけにうるさい。
こんなに緊張をしたのはいつぶりだろうか。

「んで。どうしたの。」

言わなきゃ。言わなきゃ。

そして、口を…開いた。

「あのさー…せいじってまだ
私の事すき?」

時間が一瞬とまった。

「ごめん。」

「そっか。そうだよね。わかった。ありがとう。」

そして私は駆け出そうとしたが
その瞬間心の中の何かが崩れるように私自身も崩れていっていた。

「お、おいっ!!!!!」

何かが…甘い匂いが…
私を包んだ…