男は強いそして女は弱い。いつからかこんな定義が出来あがってしまった。誰が決めたのだろうか？そしてその根拠は、どこにあるのか？そんなことを水柿直哉は、ぼんやり考えていた。

「直哉くん！聞いてる？私たち付き合ってるよね？」

まただと直哉は思った。クラスの生徒みんなに聞こえる声で交際の有無を尋ねる。

「ああ。」

そう言うと彼女は喜ぶ。自分のものになったコレクションを他のライバルたちに見せ付ける。彼氏にしたい男子ランキング第1位におれは中学1年から選ばれ続けている。そんな彼氏を横につけてご満悦なのだ。女の世界は怖い。妬み嫉みが深い根を張っている。ブランドやメイク何か勝てるものはないか？あの女よりも。

女は弱い?…どこがだ！

男の方が幾分かよい。目に見える部分でしか争わない。単純なのだ。ある女性誌に男が言われて嬉しいワードと言うものが載っていた。「すごい」や「こんなの初めて」なのだそうだ。そんはわけないと思うだろう。だが饒舌な女はいるのだ。それに踊らされる男も。

女は男の何倍も賢くそして残酷だ。自分に対しメリットなのかデメリットなのか瞬時に見分ける。そしてデメリットと判断したものは否応なしに切り捨てる。純粋な恋心そして親子の愛情を。