その頃マリとヨシは、近所のカフェへ逃げ込んでいました。


「「…………」」


飲み物だけは頼んだものの……気まずい沈黙。

マリはやっぱり告白の続きをしようと、思い切って口を開く。


「ねえ…「なあ……

「えっ!?「なんだっ!?」


見事にハモったお2人。周りの目も気にせず、大笑い。


「あははっ……あの……ね……あ、やっぱり、ヨシ君から先に言って?」

「や……今度さあ、映画でも観に行かねえ? スパイダーウーマンとかさあ」

「行っ……行く行く行く! いつ!? いついついつ……」


はっと我に返るマリ。


(あああ……興奮しすぎちゃった……)

「ごめんっ……」

「いや……あ、じゃあ、来週あたり。来週の今日、兄弟公園3時な」

「うんっ! (うおっしゃあああああ!)」

「……それと、ルイコのことも、ちゃんと言うから……じゃっ……」


そそくさと帰るヨシ君。1人取り残され、頬が緩むマリ。


(これって……デートだよね!? 何着ていこ……きゃーっ)


いろいろとプランを練りながら席を立つマリ。その時!


(はっ! な……なんてこと……まさか、ヨ、ヨシ君が……そんな……)


……お勘定放置していきよった……

苦々しげに、568円を払うマリでした。