「…落ち着いたか?」


「ック…ぅん。…ありがとう」


「どういたしまして」


ハンカチで頬につたる涙を拭いてくれる。


明るかった空が暗くなってきていた。


私どんだけ泣いてたのよ…。


「ありがとう。…もう大丈夫」


「ん」


抱きしめられていた腕に力が入る。


ギュッと抱きしめられるのは恥ずかしいけど、〝ここにいるよ〟って言われてるみたいで安心する。


「…依亜はさ、もう少し肩の力を抜いてもいいと思う」


「え?」


肩の力?


「総長だとか、一番上だからとかそんなの気にしないでさ。肩の力を抜いてみ?少しは変わるから」


総長とか一番上だからとか…。


それは私がもっとも気にしていることで。