「可笑しな話だよ…やっぱり」


佐久間の事務所からの帰り道、恭子が納得出来ない風にそう呟いた。それは私も同じだった。


どうしてジュンさんとの関係を口ごもるのか?どう考えても理由が分からない。


「どう思う?加奈子さんとしては」


「心理学専攻の恭子さんに分からない事が、一般人の私にわかる筈ございませんです…」


「真面目な話さ…絶対カヲルに関係あるよね。あたし達にだけ話にくいって事なんだと思うんだな」


「やっぱりそう思う?」


恭子は頷くと私を見て笑う。


「あたしより加奈子の方が気になるよねぇ。こっちは仕事の興味だけどさ…」


「そんなんじゃ無いわよ。やっぱりどう考えても無理でしょ…聞いたでしょ?あのエリナが佐久間のファンだとかさ」


「まあね、予想どおり良いオンナが周りにいっぱいって感じだもんねー」