そして時は過ぎ、
あたしは少し大きくなって
大人になった。

この国を背負っていく意味
王を選んでこの国を
竜の力で守る
その為に必要な知識を学ぶ事

それが、やっとどういう事か
わかってきた。

だけど・・・
いや、だからこそ・・・
この胸の想いを持て余す事になる

「よう!」
相変わらずノー天気な大声が
こちらに向かってかかる

あたしは花壇の端に腰かけて
壁を見てたけど、
その壁にうつるツンツン頭の
大きな影と声で誰であるかは認識してる

だけど・・・あえてそっちを向かない。
だって今は
ノー天気な幼馴染のそのテンションに
一緒に乗れる余裕はない。


「あんれ?ご機嫌斜めか?姫様」
からかいながら隣に腰を下ろす。