ケータイ小説 野いちご

当て馬ならし

第五章
第五話 当て馬救われし

迫りくる亡者の波

もう一度目を開けて挑むように立つ

暗黒の闇に飲み込まれる、
その衝撃が目の前に迫る。
痛みが襲うのだと身構える

でも、やってきたのは

-ふわり

心地のいいベルベットの肌触りが
私を包む

そして
背中から優しく抱きしめられる
耳元でささやかれる声

「何、勝手に面倒な事に
 なってんの・・・」

望んでた、
本当は辛くて
苦しくて・・・貴方の事・・・
待ってたの・・・

涙が溢れだして
私は、子供みたいにしゃくりあげる

彼の夜色のローブが私を
包み込んでくれている。
もう、我慢できない・・・

背中を支えてくれているそれが
今まで感じていた
全ての緊張状態から解放してくれる

嬉しくて・・・
ただただ、嬉しくて・・・
流れ出す涙が止まらない

よしよし、という感じで
右手で私の頭を撫でてから
その腕を私の前に素早く力強く突出した。

魔方陣が手のひらに展開する

そこから放たれた冷気が
向かってくる亡者を次々になぎ倒す
倒れた亡者はそのまま土に帰っていく。

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