貫はみんなのいるベンチに帰ってきて、みんなから「お疲れ」と言われた。そんなのみんな同じことを言うに決まっている

そんな、当たり前の言葉。
僕にとって「お疲れ」と言う言葉は、ただの気休めにしかなっていないと思う。正直そう思っているのは僕だけじゃないと思う。
つまんないんだよ。そんな、なんにも詰まってないカラの"お疲れ"だなんて。
なんにも、感じないんだよ

でも、彼女だけはこんな簡単な「お疲れ」じゃなかった。

ちゃんと、僕の目を見てまっすぐ僕の元へと届く。優しい言い方だった。
まるで、“なんでも知っている“と教えてくれるように。悩み事を全て包み込んで、僕から吐き出してくれるような感じがした
彼女と喋っていると、’‘本当のぼく’‘が出てきてしまいそうで弱みを見せてしまいそうで怖かった。

だから、帰ってきたんだ。いや、逃げ出してきたんだ
せっかく、彼女からきっかけを作ってくれたのに。
どんだけ、弱いんだよ"僕”って