ハッキングの得意な真智香に目線を。



真智香はノートパソコンから目線を外し



こちらを見て頷いた。



嘘はついていないらしい。




そして、智久が微笑んだ。



「沙由さんは、変わっていますよね


 暴走族の私達を避けないだなんて」


「別に。


 避けて欲しいなら避けるけど。


 私、そういうのどうでもいいタイプなの


 偏見とか嫌いだし。



 ただ、それだけ。」


その言葉に、


―コイツ、綺麗だな。と、思った。



「あと、私のことは、呼び捨てにして?


 さん、ちゃん。って、嫌いなの」



そう言って、沙由は図書室から出て行った