不思議な夢を見た
少しモヤモヤして、でも、どこか暖かい夢…
ここは…村?小さな村かなにかだろうか…すると目の前に綺麗な女の人が…

“雪華…”

誰?何で私の名前…

“おいで、みんなが心配してるわよ?帰りましょ?”
あぁ、そうか…今まで忘れていた、母様だ…
でも、何故?
そして夢はそこで終わった…

目が覚めると、見知らぬ部屋で寝かされていた。

いつもなら、屯所で土方の隣で起きるのだが…部屋には私一人だった。

「目が覚めましたか、雪華さん」

声を聞いた途端、蛇に睨まれた蛙のような感覚に陥った。

「だ、誰だ…どうして私を…」

その男は一瞬驚いた顔をして

「記憶がないのですね、ではまず自己紹介からですね…
私は桂小五郎と申します。雪華さんの“ご主人様”のような存在なのですが…わかりませんか…」

「何の事だかさっぱりだな、私は新撰組の雪華だ。
もし誰かの所有物だとしたら土方歳三の所有物だ、長州藩、桂小五郎…いや、逃げの小五郎か…」

「成る程…新撰組の駒に堕ちたと…?」

「それ以外に私の生き方はない」

私は断言してやった。
すると桂はクスクスと笑って…