「…行ってくる。」

私は思いっきり無愛想に、ほとんど呟きに近い声で言った。

お母さんは「いってらっしゃい」とだけ言ったらすぐどこかに行った。

「はぁ…」

今日は入学式らしい…………私の。

ふわふわの制服に小さな鈴が付いていて、歩く度に音が鳴る。

いつも以上に痛む頭を手でおさえながら森に入った。

私は今日から私立雄凜学院の中等部に入るらしい。

森の中をまっすぐ進んでいると、小さな校舎が見えてきた。

事前に貰っていた名札をつける。

《結星 莉央》

_ユイセイ リオ

これが私の名前。