〜桜井 麻美said〜





「海原君が・・・・・!?」




碧海との誓いをしてから、家へ帰って海原君の家へ寄った。
この間のお礼も兼ねて、ジンジャーブレッドクッキーを持って。




そこで告げられたことには強いショックを受けた。
海原君が倒れたとお母さんが青い顔になりながら伝えてくれた。





昨日はまったくそんなそぶりみせなかったのに・・・・・。
もしかして、我慢してたの?




「それでね、麻美ちゃん。
落ち着いて聞いてね・・・・・。
辰也っ・・・・・もう、学校に行けないかもしれないの。
病状が悪化して学校なんかに行ったら倒れてそのままおだぶつなんだって・・・・・!どうして、辰也なの、辰也はなんにも悪いことなんかしてないじゃない・・・・・。
ねぇ、どうして・・・・・?どうしてなのよーーーーー!!!!!」




よっぽどショックだったんだろう。
ううん、不治の病と告げられた時から。
その時からずっとずっと、ショックだったんだ。
でもそんな自分の気持ちを隠して。
海原君の手足となって、自分の感情を必死に殺していたんだ。
でも今回倒れたと聞いて、ギリギリに保たれていた自我が外れちゃったんだ。




私だって自分の子供が一生治らない病気で、20歳まで生きられるかどうか分からないと宣告されているのに倒れたら、発狂してしまうだろう。





「お母さん、落ち着いてください。
海原君、まだ死んだわけじゃないんですよね?」