帰り道に少し誠と今までの話をした。

いつから好きだったのかとか、なんで他の女の子に手を出したのかとか。



「かなちゃんのことは、本当にずっと昔から好きだったんだよ。それこそ、一緒に遊んでた幼稚園くらいの時からずーっと。まぁ、最初はお姉ちゃんみたいだと思ってたけど、かなちゃんが中学の時かな?かなちゃんが他の男と一緒に帰ってきたのみたらさ、なんつーか、すっげーイラついてさ。独占欲ってやつかな、そこでちゃんと好きなんだなって気づいた」



確かに中学1年のとき、気になってた男の子がいた。

なんとなく二人とも互いに気があるような感じで、一緒に委員会したり、一緒に帰ってきたりしていた時期もある。誠はそのことを言っているんだろう。



そして、あたしの記憶が正しければ、その頃から誠は気になっている子がいると、あたしに相談し始めたのだ。


相談する割にはすぐにその相手と遊んだり付き合ったりしていた誠にモヤモヤしだすのもこの頃だ。



「俺がイラついた分、かなちゃんも同じように思ってくれないかなーとか思って、いろんな子と遊びました。ごめんなさい」


なるほど。

まんまと誠の作戦にのせられてしまっていたということか。


誠が二人目の彼女とキスしているのをうっかり目撃して、自分の気持を自覚させられ、ひとりでこっそり泣いたのは内緒にしておこう。



「もうしないよ。俺はいつだってかなちゃん一筋なんだから!」


そう言ってへらっと笑った誠を信じようじゃないか。