ケータイ小説 野いちご

臆病者のシーソーゲーム(仮)


忘れないのです














テストが終われば、

直ぐに夏休みがやってきた。





あの日……ゴミ捨てで奴の彼女に遭遇した日を早く忘れたくて、

夏休み入って早々、ピンク色のスニーカーを手洗いした。




部活をやってない私がやる事なんて課題とか友達と遊ぶ事しかなくて、


暑い昼下がりはクーラーの効いた部屋で寝転がっていた。



フッと今何時か気になり顔を起こせば、

サラサラっと顔に掛かる自分の黒髪。

中学の時から伸ばし始めた髪の毛は、今では背中の真ん中あたりまで伸びている。


「あーもう…」


その長い髪を後ろでくくって、近くにあった赤いゴムで縛った。



中学時代は皆黒髪なのが普通。
染めている人は不良と言われる人たちだった。


でも高校では髪型や髪色がある程度自由だから、
染めている人だって多い。

美希なんてミディアムの髪を茶髪にしてパーマ掛けているし、

堀川だって夏休み中に染めるって言ってたし。


………奴だって……
中学時代は綺麗でサラサラだった黒髪を、
高校に入学した途端躊躇いも無く茶色に染めた。



「………私も染めようかな…」


そんな独り言と共に自分の髪を見るけど、

「やめやめ」

直ぐに考えるのを放棄してクッションに顔を埋めた。


 

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