赤に染まった百合の花を。

その他

九ノ瀬しろうさぎ。/著
赤に染まった百合の花を。
作品番号
945492
最終更新
2013/10/02
総文字数
1
ページ数
1ページ
ステータス
未完結
PV数
1
いいね数
0

火傷してしまいそうなほど、寒い。

鼓膜が破れそうなほどの、静寂。

目が回りそうなほど、殺風景。

だれもいない。それがただ、こわかった。

風の吹く方向に、木は軋みながら揺れる。

だれか、だれかぼくを助けてよ。

そう呟いた声は、誰にも聞かれぬまま、消える。

空腹と眠気、そして頭痛がぼくを襲い、ぼくはその場にパタリと倒れこんだ。

向こうから近づいてくる足跡の音は、こちらの方へ、ゆっくりと、ゆっくりと。

「あぁー、またこの子もか。」


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