ようこそゲストさん
「ほら、先輩!笑って下さい!」
「笑ってるから…」
今日は彼氏とクリスマスデート。
さっきからずっとクリスマスツリーの前でスマホを構えても、先輩は普段から滅多に笑わないため中々良い写真が撮れない。
「もしかして…私と一緒にいるの嫌ですか?」と聞いても
「そんなわけないだろ!じゃなきゃ付き合ってねぇよ」って即答するし。
どうしようかな…。
あっ、良いこと思いついた!
「先輩!ずっとスマホ持ってたら腕痛くなってきました。ちょっと持ってもらってもいいですか?」
「ああ、いいよ」
よし!
私は先輩にピタッとくっついた。
「先輩、ここのボタンですからね」
「うん。はい、3・2・い…っ」
チュッ
「えっ…」
カウントダウンする先輩の声は私によって遮られた。
撮れた写真には驚いた顔をしている先輩と、その頬にキスする私の横顔が。
「やられた…」
先輩は顔を真っ赤にしながら私の肩に顔をうずめた。