3月16日、午前8時。


最悪だ。
特別捜査員の一人、武田が自宅で首を吊って亡くなってしまった。
そして、彼の死体にもまた両目が存在しなかった。
我々の中では比較的明るく、ムードメーカーだった彼が自殺、正直考えもつかない――机の上の遺書を見るまではそう思っていた。


《少女が追ってくる》

ただ一文、小学生が書いたような雑な文章。
武田は必死の思いで書いたんだろう。
死ぬ間際に。