氷牙さんは このイチゴ部屋をぐるりと見まわすと 「イチゴの掛け時計を買った時が 一番恥ずかしかったわ」と、 壁の上を陣取る 赤と緑のブツブツお化けを見て 苦笑いを浮かべているけれど。 氷牙さんの横顔を見れば見るほど 疑惑が膨らんで止まらない。 「あの……氷牙さん……」 「ん?」 言わなきゃ! 氷牙さんの好きになった人は、 100%私じゃありませんって。 私は絶対に 『イチゴが好き』なんて、言いませんって。