連続ドラマ『いつか、眠りにつく日』野いちごスペシャルインタビュー

いよいよ3月12日(火)0時より配信スタートとなる、FOD連続ドラマ『いつか、眠りにつく日』。

それを記念して、原作者・いぬじゅんさんとメインキャスト・大友 花恋さん、小関 裕太さん、甲斐 翔真さん、喜多 乃愛さんの豪華な対談形式でのインタビューが実現!

作品についてはもちろんのこと、お互いに聞いてみたかったことまで飛び出す、大盛り上がりの対談となりました!

――まず、いぬじゅんさんにお聞きします。今回『いつか、眠りにつく日』は「#冬のスタ文総選挙」で投票数第1位に輝き、FODでの連続ドラマ化が決定しました。ドラマ化が決まったと知らされた時のお気持ちや、ご感想を教えていただけますか?
いぬじゅん:「ドラマになりますよ」とメールで連絡が来たんですよ。だからちょっと詐欺だと思っちゃって(笑)。自分はずっと執筆しかしていなくて、芸能界とは無縁な感じだったので、ドラマ化ということが本当に起きるのかなと。夢物語みたいな感じで最初は思っていたんですけど、キャストの皆さんのスチール写真が送られてきた時に、自分の鳥肌を初めて見ました(笑)。また、やっぱり日を追うごとにつれて、色んな方から「#冬のスタ文総選挙で投票した『いつか、眠りにつく日』がドラマ化作品に選ばれて嬉しいです」といったお声をたくさんいただきました。投票してくださった読者の方々に、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
小関 裕太(以下、小関):いぬじゅんさんがご自身で書かれた言葉たちが、ドラマとして具現化されるというか、実際に形作られるというのは、どういった感覚ですか?
いぬじゅん:先日、ドラマの撮影現場を見学させていただいたんですけど、ちょうど撮影現場に到着した時に、大友さんのシーンを撮影していて。大友さんが私が書いた文字を喋ってるっていうことに、本当にびっくりしました。
大友 花恋(以下、大友):小説の中に散りばめられている言葉が、実際に台本にそのまま反映されている箇所も多いので、そのシーンを見ていただけてよかったなと思いました。
いぬじゅん:本当にそう思いました。原作では色々な出来事を盛り込んでしまっているんですけど、脚本家の方にそれを上手くまとめていただいていて。ドラマを観るのがとても楽しみな脚本になっていたので、すごく感動しました。
――いぬじゅんさんにとって、小説『いつか、眠りにつく日』は、どのようなテーマや想いが込められた作品だったのでしょうか?
いぬじゅん:『いつか、眠りにつく日』はもうだいぶ前の作品で、デビュー作なんです。実は、私は作家活動とは別に、生死に関するようなお仕事を今もずっと続けているんですね。そうすると、やっぱり亡くなられていく方を間近で見ることが多くて、そういう時に「あぁ、もっとこういう風にしてあげればよかった」だとか、亡くなられた方に対しての後悔を大体のご家族の方が抱えていらして……。そういったことを聞いている中で、人の後悔ってなんだろうっていうところから物語は始まりまして、それでこの作品を書き始めたんですね。この物語を通じて、本当に1つだけ言いたいのは「生きてるって、それだけですごいことなんだよ」ということ。それをとにかく伝えたいなって思って、勢いでガーッと書いたような作品なんです。
――キャストの皆さんがご自身の役柄について感じた印象と、演じる上で意識されたことを教えてください。
では、主人公・蛍を演じた大友さんからお願いします。
大友:蛍ちゃんはとにかく何に対しても優しい子です。人に優しくして、誰かの喜んでいる表情が自分の活力になるような子なので、その優しさを、押し付けない優しさにするために、どうしたらいいかなっていうのはずっと考えていました。このピュアでまっすぐな優しさは、蛍ちゃんならではだなっていうのを原作から感じたので。台本のセリフと、あとは小説に書いてある蛍ちゃんの心情にすごく助けてもらいながら、ちょっとずつ、ちょっとずつ役に寄り添っていたかなという感覚です。そこが私の課題だったので、とても意識していました。
いぬじゅん:大友さんは役に合わせて、髪の毛も切ってくれたんですよね。それにも感動して……。
大友:原作の表紙が蛍ちゃんの絵で、私はもともと今よりも10~15センチくらい長かったので、イメージを寄せたいなと思って髪を切りました。そこでやっぱり、自分の中で蛍ちゃんになるスイッチが入ったので、自分でも切って良かったなと思っています。
――蛍のクラスメイト・蓮を演じた甲斐さんはいかがでしょうか。
甲斐 翔真(以下、甲斐):自分は蓮役を演じることが決まった上で、蓮に自分を投影して原作を読んでいたんですけど、最後まで見ると、蓮って、この物語の意味をわかった上でこの物語を生きてるなと思いました。蛍に対する接し方もそうですけど、この本の中での蓮の存在は、ただの爽やか少年じゃないなって。そして、どれだけ蓮を魅力的にできるかっていうのを考えた時に、最後の未練解消シーンで盛り上がりのマックスが来るから、それまでの助走を1話からしないといけないなと思っていました。初めは未練解消シーンの時とはまったく違う蓮を、明るく飄々として、いつもふざけてる奴みたいな感じのキャラクターとして演じて、最後に持っていくって。
いぬじゅん:前半が明るければ明るいほど、クライマックスは、視聴者の皆さんは相当蓮に感情移入するんじゃないかなと思いますね。
――つづいて、蛍の親友・栞を演じた喜多さんお願いします。
喜多 乃愛(以下、喜多):栞は、本当にもう何に関しても蛍が1番だと考えている子です。なので、自分がカメラに写ってないシーンでも、モニターで蛍のことを見ていたりしていました。もともと撮影現場に入る前から「学校生活でも栞ってずっと蛍のこと見てたりするのかな」「帰り道は2人はどんな話をしてたんだろう」「よく行くカフェでは普段どんな話をしてたんだろう」などといったことも、色々と想像していて。だから本当によく見てましたね、蛍のことを。また、栞はすごく蓮と似ていて、すべてをわかった上で、蛍とどう接するかっていうシーンばかりでした。それをどういう感じのバランスで演じるのかっていうのがすごく難しかったです。でも、やっぱり栞は蛍への愛がすごいんだろうし、すぐに泣いちゃうようなピュアな蛍に心を許してる栞だからこそ、考え方が大人なのかなって思っていました。
大友:私と乃愛ちゃんは、実際は私の方が1つ年上なので、普段とは本当に逆の感じなんですよね。だから、それもまたすごく新鮮でした。もともと乃愛ちゃんとは知り合いだったので、蛍と栞の関係が最初から出来ていたし、2人の距離が縮まっていたというのは大きかったです。
いぬじゅん:すごく和気あいあいとされてるなっていうのは、撮影現場に見学に行った時に感じました。皆さんがチームワークよく、プロとしてお仕事されてるなって。
――では、案内人・クロを演じた小関さん、お願いします。
小関:原作を読んだ時は、僕の中ではクロはもっとクールな印象だったんですよ。淡々とずっと話していて、ただの傍観者。主人公はもちろん蛍で、クロは常に蛍の傍にいるんだけど、傍にいないような距離感。ずっと蛍のことを第三者として見ているような感覚を覚えたのが小説だったんです。けれども、台本ではクロのセリフも少し多くなっていたり、コメディ部分が少しあったりとかもしました。最終的には割と人間っぽい、だけど感情は実はなくて……っていうバランスを取りながら、そこを楽しんで僕はドラマバージョンのクロをやらせていただきました。
大友:クロはやっぱりこの世にはいない存在なので感情がなかったりもしますし、演じるのは難しそうだなと思って見ていました。
いぬじゅん:確かにクロは本当に感情のない役として書いたので、難しいと思います。でも、本当に蛍を心配しているんですよね。だから、そこは言葉では表せないような感情を持っている案内人として、本当に多分蛍だけは特別扱いしてたと思うんですよ、原作の中でも。何でそうなるのかっていうと、やっぱり蛍の人柄。本来は心がないクロがちょっと動かされるものがあったのかなという気持ちで書いたので、そういうちょっと人情味あふれる感じを演じていただいたのは、すごく嬉しいですね。
――せっかくですので、キャストの皆さんから、いぬじゅんさんに聞いてみたいことは何かありますか?
大友:私、すごく勝手になんですけど、いぬじゅんさんって女性の方だと思っていたんです!なぜそう思ったのかというと、原作の中で女の子の心情がドンピシャに描かれていて。なんでこんなに恋する乙女の絶妙な気持ちがわかるんだろうっていうのは、最初からずっと気になっていました。
いぬじゅん:答えましょう(笑)。
大友:その真相が!
小関:それを知ったら、恋愛が上手くいくかもね(笑)。
全員:(笑)。
いぬじゅん:私、ドリカム(DREAMS COME TRUE)さんがデビュー当時から本当に好きで、ドリカムの歌詞を読んで育ったようなものなんです。なので、小説を書く時って、ボーカルの吉田美和さんの感覚やドリカムの歌の世界が、頭にワーッと広がるんですよね。すごく歌詞が女性の気持ちを表しているので、だから小説では恋愛に関する描写もそういう気持ちで書いてます。
大友:それで、あんなに素敵なキラキラした文章になるんですね。
いぬじゅん:そうですね。『いつか、眠りにつく日』で蛍の心境を書いた時とかも、やっぱりドリカムの歌を流しながら、きっとこういう感情だろうなぁと想像して。色々とインスパイアさせていただいてます。
――では逆に、いぬじゅんさんからキャストの皆さんに聞いてみたいことは何かありますか?
いぬじゅん:皆さんが今回演じた役って、本当のご自身の性格と照らし合わせると、似ている度は何%ですか?多分、1番低いのは甲斐さんだと思うんですけど……(笑)。
全員:(笑)。
いぬじゅん:それは何故かっていうと、皆さんのファンの方々から、ダイレクトメールとかをもらって、色々と教えていただいたんですよ、皆さんのことを。「大友さん、こんな方なんですよ」とか「甲斐さん、こんな方なんですよ」とか。その中で一番多かった意見が、甲斐さんファンの方からの「甲斐さんが蓮を演じてくれてすごく嬉しい。それはきっと彼にないものだから」っていうご意見で。「本当の性格はきっと違うから、そういうピュアな役っていうのをきっと楽しんで演じてくれると思う」って(笑)。
全員:(笑)。
大友:私は、蛍ちゃんとは75%くらい似ている気がします。あんなにピュアではないですけど。でも基本的な部分はすごく近いのかなと思うところもあって、そんなに遠くない気はしていました。
喜多:私も75~80%くらいです。自分が長女っていうのもあるし、栞に兄妹がいるいないっていうのは別として、栞は蛍と接する時はお姉ちゃんっぽいので。仕事としての私というよりかは、友達といる時の私だともっとなおさら栞に似てる気もします。皆で楽しくワイワイするのが好きだし、お姉ちゃん気質だしっていうのも含めたら結構似てるのかなって。
いぬじゅん:男性陣は低いんじゃないかなと思うんです。
小関:僕が嬉しかったのが、撮影前に演出家の方とクロをどう演じましょうかっていう話をしている中で「小関君、そのままやってくれたらクロだと思うよ」って言われたことなんですけど……。でも僕自身はクロと似ているのは5%くらい(笑)。
全員:低い(笑)。
小関:ちょっと俯瞰視をする部分はあるので5%なんですけど、後はあまりクロに似ている部分はないと思います。
甲斐:次は僕ですかね。やっぱり普段から感情が豊かな僕なんですけど……。
小関:自分で言った!(笑)
甲斐:感情が豊かで、優しくて、結構周りとかも見てて……って、僕と蓮はまぁ2%くらいですかね(笑)。
全員:(笑)。
甲斐:逆に僕がクロを演じてたら、80%くらいでした。
いぬじゅん:あぁ……!
甲斐:多分、自分はクロ側の人間で、蓮は裕太君なんですよ。裕太君は、蓮っぽくて感情が豊かなんです。
いぬじゅん:じゃあ、甲斐さんは本当に“蓮を演じてくださった”感じなんですね。
甲斐:楽しかったです。普段出来ないことが出来たので。
いぬじゅん:ずっと気になってたんです。
甲斐:2%です!(笑)
いぬじゅん:2%ですか……(笑)。
小関:でも逆に自分と似てる部分が50%くらいだと、ちょっと演じにくかったりもするんですよ。自分に引っ張られちゃったりとかして。でも自分と真逆な人を演じる時はかえって違いが目立って、そういう部分が自分にも欲しいなぁって思うこともあったりするので、それはそれでやっぱりやりがいがあります。
――それでは最後に、ドラマ『いつか、眠りにつく日』の見どころについて、キャストの皆さん、いぬじゅんさん、お1人ずつメッセージをお願いいたします。
大友:『いつか、眠りにつく日』は命をテーマにしている作品で、だからこそ、これから観ようと思ってくださってる方は構えてしまう部分もあるのかなとは思うんです。でもドラマもそうですし、小説もそうだったんですけど、実際に観てみると結構コミカルな部分もありますし、死を感じることで前向きになれるっていう瞬間がすごく多い作品です。きっとドラマを観てもらって流れる涙は、全部温かいものになるんじゃないかなと思うので、その前向きになる涙を楽しみに観てもらえたらと思います。
甲斐:原作を読んだ時に、あとがきにあった「大切な人に大切だと言える力があなたにも生まれますように」という言葉がすごく心に響いていて、それがちゃんとドラマでも伝わったら何よりいいなと思っています。「大切な人に大切」って、恥ずかしいし、普段からなかなか言えないじゃないですか。だけど、この作品を通じて、お母さんに「産んでくれてありがとう」だとか、友達に「いつも一緒にいてくれてありがとう」とか、そういう誰しもが必ず持っている感謝の気持ちを伝えてほしいです。
喜多:生きていることの大切さや、人と人とのつながりも描かれていて、観終わった後には必ず温かい気持ちになれる作品です。そこがまず見どころです。あと、最終回で大どんでん返しがあった後に、もう一度全部を知った上で物語を最初から観返すのもアリかなと思います。結末を知ってから観てみるのも、楽しめる所かなと。
小関:確かに小説とはまた違って、役者の表情や目の奥の動きなど、ドラマバージョンだからこそ観返しておもしろい部分っていうのはたくさんあるんじゃないかと思います。また特に、ドラマならではのキュンとする部分も増えているので、そういった所でも皆さんに気兼ねなく観てもらえるかなと。あと、今回はFODでの配信ということで、限定された人に観ていただく作品なんですけど、限定されてるからこそ「FODに入らないと観れないんだよ」って言っていただける素敵な作品ですし、より多くの人に「私しか観てないけどね」って思っていただける作品だとも思います。この配信がもっと評判が出て、放送される場所もさらに広がったらいいなと思っていますので、たくさんの人に観てほしいです。
いぬじゅん:私の想像と寸分違いないキャスティングで、どの方も私が書いたキャラクターにぴったりな方なので、それが本当に嬉しいというのがまず1つあります。『いつか、眠りにつく日』は、もともと野いちごに載っていた作品で、今もまだサイトに残っているんですけど、そちらは小説本とは結末がちょっと違うんですよね。単行本として書籍化する時に結末を変えて、さらにスターツ出版文庫として出す時にまた改変して……と、長くこの作品を読んでくださっているファンの方にとっては、ついに待ち望んだ映像化ということなので、もうぜひ皆さんには期待してご覧いただければと思います!そして先ほど小関さんがおっしゃってたように、FODを観るきっかけにもなると思います。なので、私も加入します!初回1ヶ月無料とかで(笑)。
全員:(笑)。
――そこはぜひそのまま継続加入でお願いいたします(笑)。いぬじゅんさん、キャストの皆さん、ありがとうございました!

キャストPROFILE

森野 蛍役

大友 花恋(おおとも かれん)さん

1999年10月9日生まれ。群馬県出身。

映画「君の膵臓をたべたい」(2017年)、ドラマ『チア☆ダン』(2018年・TBS系)など話題作に多数出演の他、『王様のブランチ』(TBS系)やラジオ「クラスメイトは大友花恋!」(文化放送)パーソナリティーなど、多方面で活躍している。

クロ役

小関 裕太(こせき ゆうた)さん

1995年6月8日生まれ。東京都出身。

『天才てれびくんMAX』(2006~2008年・NHK)のテレビ戦士として人気を博すなど、子役として活躍。人気舞台「ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン」(2011~2012)や、ドラマ『ごめんね青春!』(2014年・TBS系)などで注目され、ドラマ『ゼロ 一獲千金ゲーム』(2018年・日本テレビ系)、連続テレビ小説『半分、青い。』(2018年・NHK)などに出演。主な映画出演作に、「ドロメ」(2016)、「覆面系ノイズ」(2017)、「ちょっとまて野球部!」(2018)、「曇天に笑う」(2018)、「わたしに××しなさい!」(2018)、「サムライマラソン」(2019)など。

大高 蓮役

甲斐 翔真(かい しょうま)さん

1997年11月14日生まれ。東京都出身。

『仮面ライダーエグゼイド』(2016年・テレビ朝日系)のパラド / 仮面ライダーパラドクス役でテレビ初出演。ドラマ『花にけだもの』(2018年4月・フジテレビ)、『覚悟はいいかそこの女子。』(2018年・MBS/TBS系)、『ゼロ 一獲千金ゲーム』(2018年・日本テレビ系)などに出演。主な映画主演作に「写真甲子園0.5秒の夏」(2017)、「覚悟はいいかそこの女子。」(2018年)、「君は月夜に光り輝く」(2019年3月)など。

山本 栞役

喜多 乃愛(きた のあ)さん

2000年5月18日生まれ。埼玉県出身。

『あなたのことはそれほど』(2017年・TBS系)で女優デビュー。『花のち晴れ~花男 Next Season~』(2018年・TBS系)に主人公の友達役で出演し注目を集める。その後、2018年テレビ朝日系『僕とシッポと神楽坂』(2018年・ABC テレビ朝日系)、『ハラスメントゲーム』(2018年・テレビ東京系)、2019年4月スタートの『神ちゅーんず ~鳴らせ!DTM女子~』(ABC テレビ朝日系)などに出演。

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