「いいですか。最も大切なことは、悪の快楽に頼らないということです。頼らなければ、あなたは結局は全てに勝つでしょう。あとのことはすべて、取るに足りぬ、些細なことです。信じようが信じまいが。悪の快楽に頼らないこと、あなたの人生の勝利の鍵は、ただこの一事に尽きるのです。ただ、このことだけは忘れてはならない。守り抜かねばならない。死ぬまでです。一生です。一生ものだから、急所なのです。」
「いいですか。あなたが本当の正義の道を歩もうとする時、すべてを遮るものが必ず現れます。それは敵かどうか判別できぬ点で、強敵です。あなたは、善の心を緩めてはならぬ。常識をもって、断じていくのです。時にそれは、この闇の世界にあって、相応しい仲間のような素振りを見せ、近付いてきます。その全ては自らの欲望を叶えさせるためには、こちらの正義の志を折ることに関して、無頓着です。智恵が必要です。冷静な心が必要です。沈着な心持ちが必要です。時節を待つ辛抱強さが求められます。悪人の要件のひとつに、待てない、というものがあります。善人の要件のひとつに、辛抱しきる、というものがあります。私はそう思っています。あなたには、神の差配ではないかという恐怖心があります。その時は、常識をもって、判別していくのです。常識でもって、必要以上にお人好しに生きようとせぬこと。常識でもって、力強く生きていくこと。それは35歳、36歳男性の、常識だと思います。」
「神は、…もっとも近くに居て下さるものと思います。
神は…、優しく包んで下さるものと思います。
神は…、時に冷たく突き放すものと思います。
神は…、時に破壊を惜しまぬものと思います。
神は…、生成化育を遂行されます。
神は…、正しきものに従うものと思います。
神は…、ユーモアを好むし、シリアスも好むと思います。
神は…、嘘偽りを嫌われると思います。
しかし神は時に、…嘘偽りを利用されると思います。
神は…、悪には暴力的です。神は悪には寸毫の容赦もしない。
神は…、極めて冷静な善です。理知的なものを好まれ、熱情的なものを俯瞰します。
神は…、恋愛を見下します。ひとつ下に見ます。
神は…、働くことを貴びます。
神は…、遊ぶことを悪いと思いません。
神は…、勇敢さを秘めています。
神は…、智恵を使います。
神は…、丁寧であることを怠りません。
神は…、雑であることを悲しまれます。
神は…、相応であることを喜ばれ、また、向上心のある姿勢を敬います。」
優しくない先輩だと心に刻んでおこう。
冷たき世界で生きてることだ。
私の心が冷たいということだろうか。
そうかもしれない。
しかし私は今、少なくとも意識上、ちゃんと真面目に、生きたいと思っている。
この思いに間違いはない。
悪に屈したくないと思っている。
もし、事故ったとしても、正義感の揺らぐものではない。
安全運転で行くこと。
誰も責任を取ってはくれないのだから。
たくましくならなければならない。
焦らなくてよい。
焦ってはいかん。
先ずは悪に勝つことです。
悪に絶対勝たねばならぬ理由は、悪に勝ってなければ、すんでのところで、「必ず」、悪に、幸福をひっくり返され、無茶苦茶にされるからであります。
この文章のポイントは、「必ず」であります。
そのことを、どうしても心に刻まねばなりません。
逆に、悪に勝っているならば、どんなに危機的状況に瀕していても、「必ず」勝ちます。
この文章のポイントも、「必ず」であります。
「必ず」、だから、価値があり、恐いのであります。
この真理は、ある面、恐れるべきものであると思います。
悪に勝たなければ、まともに生きることは不可能だと、早々と悟ることです。絶対に無理なんだと覚ることです。
どんなに景気良いのが続いても、だいたい2年でしょう。
2年も飛ぶ鳥を落とす勢いですから、怖いし、屈したくなるものです。これが、神の求める、善であり、辛抱だと、心から悟ることです。
動物性が勝ってる女性は、相手にしてはいけません。
何故かというと、こちらが弱いので負けてしまうからです。
破天荒な生き方は出来ないと諦めることです。
地味に真面目におとなしく生きるのです。
それは、誰かから見たら、みみっちく、情けない生き方に見えることでしょう。誰かとは、野蛮性の勝ってる誰かです。彼ら彼女らからは、心の中で馬鹿にされます。もしくは、無意識に、心理的反発を心の奥底で覚えさせます。
しかし、彼らが幾ら魅力的に見え、優しく、あるがままで、また身体能力に長けているからといって、自分の志を曲げ、屈してしまったならば、あなたは、遠くない将来、または最後の最後、必ず不幸になります。
端的に申せば、悪に屈したからです。
小さくても、勝てば幸せを得られます。
そして結局のところ、その、自分からも傍目からも情けなく小さく見える幸せこそ、神の、成し遂げてほしい幸せだと思われます。
それに、善の女性だって、決してつまらなくはありません。なかなかです。賢明ですし、動物性だって、四分までは、有しています。これは必ず有しているでしょう。この移行期に、そこまで清らかな人間は、いる筈のないように思います。みんな、相応の罪を背負わされていると思われます。
かくいう自分自身だって、無論、有しています。
正義に生きたい人間の悲しみが分かりますか。
正義に生きたい人間の悲しみが分かりますか。
せせら笑われることの。
時代錯誤だと相手にして貰えぬことの。
何も悪いことをしてはいないというのに、何故か馬鹿にされる。
正義に生きたい人間は、迷う。
正義に生きたい人間は、戸惑う。
お金があるということがネックになる時が必ずくるから。
その時まで、じっと力を蓄えるんだ。