

活動を始められたきっかけは何ですか?
1990年代初頭、民間教育会社の相談室で“書く”という自己表現を通じてティーンが主体的に問題解決していく姿を目の当たりにしました。当時、いじめ、虐待、暴力といった誰にも言えずにいた“心の痛手”を手紙に書いて書いて書き尽くすことで、自分の内面に最良のカウンセラーを見いだし、自分の力で心の傷を癒していけるということを相談者から体験的に教えてもらったのです。
まもなく世界初のレターカウンセリング相談室を開いたのが1992年のことでした。
最近ティーンに多い悩みはありますか?悩み自体はそんなに変わっていないというか、いつの時代も人間関係のコミュニケーションの問題ですね。
家族とか、友だちとか親しい人とのコミュニケーションがうまくいかなくなると誰でもつらいものですが、その悩みの根っこにあるものは、“自分”という一番身近な他人との関係です。“自分”と仲良くなれないとき、“自分”が信じられないとき、“自分”が嫌でたまらないときには、周囲の人との関係もうまくいかないものですから。
記憶に残っている手紙orメールはありますか?1990年代はとにかく一冊の本になるくらい、たくさん書いてくる方が多かったですね。
「手紙でしか言えなかった レターカウンセリングの子どもたち」(新水社=刊)という本を出したのが1998年のこと。
当時は「親に読まれたら困るから、返事はいらない」といって学校でのいじめ体験を書き送ってくる方がいました。また、「誰に話しても説教やアドバイスされるだけだったので、ただ読んでほしい」と虐待体験を書き続ける方もいました。
レターカウンセリングというと新聞のお悩み相談のように何かアドバイスしているのだろうと思われるのですが、読み手として寄り添うということが一番の役目だと思っています。
野いちご読者へメッセージをどうぞサイトの中に自分の居場所、つまり、ありのままの自分を表現できる場所を求めていけるということは素晴らしいことだと思います。
「表現」という正しいも間違いもないない世界で、自分を理解し、世界とつながり、他者に伝えていく力をつけていったら、自分を傷つけたり、相手を傷つけたりという暴力を選ぶ必要はなくなるでしょう。
まずは自分自身と対話することで自分の内面をゆたかに広げ、外の世界への意識をさらに広げて、コミュニケーションをしていってほしいと思います。

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