ようこそゲストさん
「あ、ハンカチ落としましたよ!」
そう言って、前の人に渡す。
その瞬間手が触れた。
「……////////」
相手の顔は真っ赤になっていて、私の手から奪うようにハンカチを取った。
「あんがと……」
早くこの場から逃げたいと言わんばかりのオーラが出ている彼。
「…如月?」
よくよく見ると、同じクラスの男子だった。
「今、気づいたのかよ!?」
なんだよ…という風に私を睨む。
「後ろ歩いてる時点で気づいてると思ってた。」
「まったく気づいてなかった!」
他愛ない会話が途切れる。
如月、行かないのかな。
「……佐本、あのさ」
「ん?」
「……普段、女子にはこんな反応しないから!」
だから、何だっていうんだ。
「別に誰にも言わないよ?」
「そ、そうじゃなくて!」
あぁぁ…と如月は唸りながら、頭を掻く。
「好きなヤツにしか、こんな反応しねぇから!」