あたしはため息をつくと、冷たいプールの中に身を沈めた。


「早瀬。とりあえず、泳げるところまででいいからな」

市川先生の言葉に頷くと、あたしは水に顔をつけて勢いよくプールの壁を蹴った。

プールの壁を蹴ると、他のみんなはしばらくけのびで前に進んでいっていたはずなのに、あたしの身体は前に進むどころか、ブクブクと沈んでいく。

沈んだ身体を再び浮かび上がらせるために、あたしは必死で手を動かして足をバタつかせた。