「随分とふざけた事してくれたじゃねぇか」

 絵理に馬乗りになっていた男は既に動かない。
 相手が返答するより早く、オレは残りの二人に近寄り、思い切り殴り飛ばす。
 呻き声を上げて、二人の男はあっけなく昏倒した。

 けっ。どいつもこいつも1発でダウンかよ。

 オレは絵理を助け起こし、ブレザーを脱いで絵理に着せた。

「それ着てろ。じゃないと胸が丸見えだ」

「む……。すまぬ。しばし借りるぞ」

「おう」

 さて、と。

「千沙子。お前、自分が何やったか解ってるか?」

「ふん……。解ってるわよ。そのくらい。
 問題児を三人お金で雇って、貴方のご主人様を襲わせた。
 ……殴りたければ殴ればいいわ」