それから翼とのラブラブな毎日は続いた。


いつも学校が終わると、あたしは理恵と理恵の彼氏と一緒に遊び、翼の仕事が終わってからは、翼が合流して遊んだり、ふたりでデートしたりした。


幸せだった。ずっとこんな幸せが続けばいい、続くもんだと信じていた。


その日もいつも通り学校へ向かった。


朝から真面目に登校することはないけど、必ず午前中には着いていた。


ただ、授業中のときは教室に入らず、廊下で座って授業が終わるのを待ったりしていた。


この日も同じように廊下に座っていると、授業中の先生が突然ドアから顔を出し、声をかけてきた。


「おい!中に入れよ!」

「あと少しでしょ?いいよ、次の時間から入る」

「わかった。でも帰るなよ」

「は……はい」


ドアから教室の時計を覗きこむと、授業が終わるまで15分くらいあった。


あたしは体育館の裏に回り、タバコを吸って時間を潰した。


ーーキーン、コーン、カーンコンーー


チャイムが鳴り終わる頃、重い腰を上げて教室に戻り、机の上に顔を伏せた。


「ん!?」


授業が始まり、す今が襲ってきた頃、バイクの爆音が響いた。


校庭に目をやると、校門から単車が次から次へと入ってきていた。


「誰だよ……うるっせーな」


教室はみんな騒ぎ始めた。先生は「自習しててくれ!」と言い残し、あわてて教室を飛び出した。


周りの生徒たちは「キャーキャー」叫んでいた。


「おい!うるせーよ、オメ~ら!」


寝てるところを邪魔されたあたしは、イライラして怒鳴った。


その声とともにみんな席に着き、教室は静まりかえった。


あたしは窓の外を眺めた。


バイクで乗りこんできたヤツらに、昔のあたしの姿を重ねていた……。