ケータイ小説 野いちご

この作品のキーワード

゚・*:Plesance Sinfonia:*゚・

◆享受の書◆
*アリス、享受する*

 光が強さを失ったのを確認し、ハニーはゆっくりと目を開けた。
まだ目が慣れないせいか視界がぼやける。

ハニーは目頭を押さえて頭を振った。
何度か瞬きをすればどうにか前は見えるようになった。

周りを見渡せばそこにトランプの兵はいない。
先程までうじゃうじゃといたというのに・・・。


「アリス嬢っ!!!」


ハニーは塔の頂上で倒れているアリスに走り寄った。
天界の騎士は姿を消したようだ。

アリスの上体を起こして揺さぶってみる。

アリスはぐったりとしていたが、やがてゆっくりと目を開けた。


「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」


ハニーが心配して聞くと、アリスは小さく微笑んだ。


「・・・大丈夫。」


その一言を聞いてハニーは安堵の息を漏らした。


「さっきの、何・・・?兵隊は・・・?」


「兵達は消えてしまいましたよ。」


「死んじゃったの・・・?」


心配そうに尋ねるアリスにハニーは首を振ってみせる。


「おそらく“天界の騎士”の聖なる光により、この英知の塔一帯から一掃されたのでしょう。
おそらく彼らはキングダムAに舞い戻っているはずです。」


「そう・・・。あれ、“天界の騎士”って言うのね。」



段々と口調がスムーズになってきている。

それを見てハニーは胸を撫で下ろした。


< 44/ 83 >