この町に来てから三度目の春。


綾、6年生になりました!


「また同じクラスだよー!」


ピョンピョンと陽子と飛び跳ねていると、後ろから小突かれた。


「だけん一緒になるって言うたがや」


京が呆れた顔で立っている。


「それでも嬉しいもんっ」


京いわく、綾と京は問題児らしくて先生の手に負えないから、安定剤のような陽子と陸を一緒にするらしい。


って、綾のどこが問題児なの!?


「言うこと聞かんとことか?」

「なんでー!?」


何も言ってないのに!


「ふはっ! 綾が考えてることなんかすぐ分かるけん」

「……」


無邪気に笑ってる京に、そっと触れた。


両想い……なんだよね……?


まだ実感がなかった。


冬休みのいきさつを陽子に話すと、両想いになったことをすごく喜んでくれた。


「でも付き合うとか言ってないし……」


ぽつりと言うと、京は気づいてないのか「ん?」と笑った。


「……分かるんでしょ」


ワザと冷たく言うと、京は少し考えてひらめいたみたい。


「太った?」


綾は思いっきり京に蹴りを入れる。吹っ飛んだけど、知らんぷりして置いてった。


バカ、バカ、京のバカ!