先生・・・?

先生は、私の頭を撫でてくれた。

時が止まったかのように、静かで穏やかな空気・・

このまま、ずっとこうしていたい。


先生の手が、私に触れてるという事実が信じられない。

こんな夢みたいなことが現実に起こってるなんて・・


先生の手は、大きくてあったかい。


その手は、ふとんの中の私のほっぺに触れた。


ピクって動いちゃった私に、先生の手も驚いたように反応した。


「ごめん・・起こしちゃった?どう?俺、誰かわかる?」

先生は、優しい笑顔で私を包み込むように穏やかに話しかける。


「うん・・私のスーパーマン・・」


私の答えに、先生は目を大きく開いて・・・唇の端を少し上げた。


先生はもう一度、大きな手で私のほっぺに触れた。


「熱は・・ないなぁ。でも、頭ちょっとヘンになっちゃったかぁ・・」


くくくくって笑う先生の顔がかわいくて、私も一緒になって笑った。

「だって、先生はスーパーマンだもん。困ったときにいつでも、助けに来てくれる強い強い味方・・。」

「はは・・俺がぁ??俺、お前のこと助けたことあったっけ?」

先生の顔はすごく近くにあった。

こんなに近くで話すのは、初めて。

こんなことはもう二度とないかもしれないって思った私の脳は、必死で先生の顔を記憶しようとする。

近くでしか見えない先生のひげや、目尻のしわ。


「うん。毎日毎日、助けてくれてるよ。私の人生を、楽しくしてくれた人。」


私・・何言ってんだろ?

やっぱ、頭おかしくなっちゃったのかな・・

こんなこと言うなんて・・まるで告白じゃない・・??


「へ~~??俺が?まぁ、スーパーマンと言われて悪い気はしないから、いいか。」