「カオル……! カオル……っ!」


あたしはカオルを求めて浜辺へと来ていた。

やはり、カオルはそこにいた。


カオルはあたしと同じ、醜い怪物となり、腰まで海へと浸かっていた。


「カオル、行かないで、カオル……!」

「リョーコ……」


カオルは歩みを止めた。


「カオル、あなたの子供があたしの中にいるの……」

「………………」

「カオル……。お願い、行かないで。あなたがそんな姿になっても構わない。あたしだって同じ……」

「違う……!」

「カオル……」

「オレたちは、結ばれてはならないんだ……!」


カオルのカエル面から、涙がこぼれていた。


「オレたちは、犯してはならない血の禁忌を犯したんだ……」

「どういうことなの? カオル……」


カオルは、また沖へと歩き出した。


「リョーコ、オレは行く……。すべての真相はオレの屋敷の書斎にある。そこで、お前はすべてを知るだろう」

「カオル……」

「それを見れば、オレたちの関係が、どれほど穢れたものだったか分かるはずだ……」


カオルは既に顔まで浸かっている。


「追ってくるな……、リョーコ……」


そのまま、カオルは海中へと消えた――。