翌日あくびをしながら、コンビニでオレンジジュースを買って電車に乗った。

敦子はほぼ徹夜だというのに元気いっぱい朝練へ出かけていった。

芙美叔母さんのアイロンしてくれたシャツは妙にパリっとしていて、なんだか気恥ずかしい。

「ね、みぃ……」

いつも眠いが、今日はさらに眠い。

敦子が赤点を取ったら、削った睡眠時間をどう返してもらうか考えておこう。


今日は朝からHR

寝るにはいいが、放っておくと勝手に●●実行委員とかにされたりする。

実は普通の授業より手が終えない。

カバンを机の横にひっかけて、始業前の一眠りをしようと机に伏せた。


ザワ ザワ…


……



波が押し寄せて、急に引いたような周囲の空気の変化で目が覚めた。

「おい、黒沢起きろよ、さすがにヤベーって」

河田が追いうちをかけるように、ペンの先で俺の背中を突いた。

顔を上げると、クラスはシーンとしていて

表情が固まっていたり、視線を泳がせている奴らが目に付いた。

「……明日、通夜がある、委員長が代表して山岸の家に行くが、山岡、長谷川、お前ら山岸と仲がよかったよな、委員長と一緒に行ってくれ」

「通夜……?」

俺がつぶやくと、河田が早口で、かつ小声で俺に耳打ちした。



「山岸が、死んだんだって――」