あれから更に数年が経っていた。

私たちは今こうへいが入院していた大学病院で働いている。

はやとは
心臓外科医

みゆきは
小児科のナース

私は
心臓外科のナース兼カウンセリングスタッフ

になった。


私たちは忙しい日々を送っていた。
今までみたいに3人集まる事も少なくなっていた。
でも、その日1日だけは必ず3人集まる。。。

8月5日...。
こうへいが亡くなった日だ。

今日で10年が経った。
みんなでこうへいが眠っているお墓へ行った。


はやと「もう10年かあ、、、」

みゆき「はやいね、、、」

あい「うん、、、」


私たちはお墓に向かって手を合わせた。

みんな思い思いの事をこうへいに伝えた。


それから、私たちは海に向かった。


誰も何も話さずただ海を眺めていた。
どのくらい経っただろう。
明るかった空は日が沈みはじめていた。


はやと「そろそろいくか。」

私たちは頷いて立ち上がった。


そして、こうへいの家に向かった。


こうへい母「いらっしゃい!待ってたわよ。」

私たちは挨拶をして、家に上がった。


今年も豪華なご飯が並んでいた。


みゆき「おいしそー!!!!」

私たちはご飯をたべはじめた。

こうへい母「はやとくん?」

はやと「ん?」

こうへい母「あいちゃん?」

あい「はい!」

こうへい母「みゆきちゃん?」

みゆき「はい?」

こうへい母「毎年来てくれて、ありがとう。こうへいの事忘れないでいてくれて、ありがとう。」

おばさんは頭を下げた。

はやと「何言ってんの!!そんなん当たり前じゃん。忘れろって言われたってわすれられないから!!」

おばさんは、微笑んで嬉しそうだった。

こうへい母「これ、こうへいがあなた達にって。俺が死んで、10年経っても俺の事忘れてなかったら、渡してって頼まれたの。」

私たちは、顔を見合わせた。
そして、おばさんから封筒を受け取った。