【冬菜side】

一限目の授業をサボった私と夏樹君は、一緒に教室へ戻った。

今は10分休憩だからか、やたら教室が騒がしい。

「うわぁーん、ごめんねっ、冬菜ちゃん!」

「っ……!?」

教室の入り口で待ち構えていた相沢さんに、体当たりする勢いで抱きしめられる。

後ろによろけながら、相沢さんの体を支えると、目に涙を溜めた相沢さんの顔が目の前に迫った。

ど、どうして泣いてるの?
急に泣かれた私は、ギョッとして目を見開く。

「琴子、空気読めないってよく言われるのぉ~っ、冬菜ちゃんのこと傷つけちゃったぁーっ」

「うぐっ……」

苦しい……。
相沢さんの腕で、私の首が締まっている。

そんな私を見た夏樹君が、慌てて口を開いた。