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「背筋は伸ばして!」



「はいっ!」



「あと、腕をよく振ること!」



「りょーかいです!」




南那とのことが解決してから、数週間が経った。



6月に入った今、ムシムシとした季節。



あたしは相変わらず、陽希のコーチをしていた。



いつの間にか、放課後に陽希の走る姿を見ることが、あたしの楽しみになっていた。





部活が終わったあと、あたしはいつも陽希に送ってもらう。



『遠回りになるし、大丈夫だよ』って言ってるのに、『心配だから!』と言って一向に聞いてくれないんだ。



あたしの親か、陽希は。

そう思うくらい心配してくれる。



でもそれが嬉しくて、断りきれないんだよね。