「蓮っ~!朝だよ!起きて!」





「んぅ~…眠い…」





「ほらっ早く起きて!入学式、遅刻しちゃうよ!」





未だ気持ちよさそうにベッドに体を預けているのは、私の幼なじみの来栖蓮(Kurusu Ren)だ。





今日は高校の入学式であり、なんとしてでも遅刻するわけにはいかなかった。





中学の頃と同様にこうして、寝坊助な蓮を起こしにやってきたのだ。





「蓮っ早く起きて」


「う~…なっちゃんの意地悪」





家が隣同士のため、家族ぐるみで仲が良く、蓮とは幼稚園の頃からよく一緒に遊んでいた。





「私、部屋の外で待ってるから、準備出来たら来てね?」


「わかった…」





やっと蓮がベッドから起き上がったため、私は部屋の外で蓮の支度が終わるのを待つことにした。





きっと蓮のことだからまだ寝てるとは思ってたけど…


少し早めに起こしにきて正解だった。