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「みっくんの彼女になりたいの」


「だから、何回言えばわかんの?おまえだけはムリだっつってんじゃん」


「なんで?なんで私じゃダメなの?……香音ちゃんだって、鈴華ちゃんだって、麗奈ちゃんだって、みんなみっくんの彼女じゃんっ」



それだけじゃないの、知ってるもん。



美結ちゃんだって、一つ年上の里美センパイだって、二つも上の梨絵センパイだって、みんなみっくんの彼女。





「そーいうのは、お互い好き同士じゃなきゃムリだろ」


「私だって、みっくんが、だーいすきだよ?」


「だからって、俺は好きじゃない」



グサリ。



みっくんの『好きじゃない』が、
ナイフのように心に突き刺さる音がした。


………みっくんの、ばか。




「それでも、私は好きだもん」


「勝手にしてろ。俺は帰る」




そう言って、本当に背中を向けて、
家に入っていってしまった。




仕方なく、私も、
みっくんが入った家の隣の家───、つまり自分の家に入った。