「帰る」



佐伯くんはそれだけ言って、本当に教室を出ていってしまった。



「お、おい湖々いいのかよ」



「だ、だって……今追いかけても絶対無理だよ……」



佐伯くんを怒らせてしまった。
いや、もう……嫌われたかもしれない。



そもそも、最初から好かれてなんかいなかったか……。