訳の分からない夜が明けた。

カーテンの隙間から差し込む朝日が眩しい。





いっそ夢だったらいいなーあ…




なんてぼんやり思ったけど、ダブルベッドに寝ていた俺の目には、寝室の隅に膝を抱えて座っているのがはっきりと見えた。



……つか、あの子寝てないのか?


起き上がりながら時計を見た。
もう、10時だった。


やっべ、こっちは寝過ぎた。






悔しいことにじいちゃんたちの躾がうまい具合に作用しているらしく、俺は学校を休まないことを心がけている。




もちろん、皆勤、とまではいかないけど。
だって、遅刻早退も欠席にカウントされるんだぜ?
無理に決まってる。

それでも、向こうに行けばダチも居るし、彼女もいる。





普通の高校生をやってるんだ。






「………まあ、いいか…サボろ…」

チラリと少女を見た。
あの子をどうにかしなくちゃならないし。

俺はケータイを手にとった。