SIDE 弥生


***


放課後はクラス委員の仕事。
日々担任は自分の仕事を俺たちに押し付ける。



今日は何も言われなかったから、早く帰れるんだと思ってた。
段ボールを両手で抱いてるこいつを見るまでは。



大きな段ボールで目の前を隠されたまま。


「だーれだ」


芙祐のくぐもった声。



「持つから」


ひょいっと持ち上げてやると、ご機嫌笑顔。


「ありがとヤヨ。今日のパシリはこれだけだって」


「ふうん。いつもより少ないな」


じゃあ本当に早く帰れるのか。


この前みたいに雨とか降ってくれても別にいいけど、どうよ。天気。
俺が見上げる限り、今日は快晴。