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夏休みが終わっても、まだまだ暑さは続くらしい。
今年高校に入学してすぐに始めた、コンビニのアルバイトに向かう為、あたしは放課後一人で学校を出た。
強い日差しを浴びながら校門をくぐり、レンガ造りの塀に沿って歩く。
暑いのはわりと平気な方だけど、今年の暑さは異常だななんて、制服の赤いリボンを外しながら考えていたら、
「酒井美緒(さかいみお)さんですか?」
校門から数十メートル歩いたところで、背中から声をかけられた。
振り返ると、金髪で背の高い、妙にヘラヘラした男が立っていた。
Tシャツにヴィンテージっぽいデニム、履き込んだスニーカー。
耳には大量のピアス、手にはゴツいシルバーのアクセがじゃらじゃら。
見るからにチャラい。
「酒井美緒さんだよね? 俺は深田恭一(ふかだきょういち)っていうんだけど…」
「人違いデス」
年上だろう男を睨み上げながらはっきり言い、あたしはまた歩き出す。
さっきより少し早足で。
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夏休みが終わっても、まだまだ暑さは続くらしい。
今年高校に入学してすぐに始めた、コンビニのアルバイトに向かう為、あたしは放課後一人で学校を出た。
強い日差しを浴びながら校門をくぐり、レンガ造りの塀に沿って歩く。
暑いのはわりと平気な方だけど、今年の暑さは異常だななんて、制服の赤いリボンを外しながら考えていたら、
「酒井美緒(さかいみお)さんですか?」
校門から数十メートル歩いたところで、背中から声をかけられた。
振り返ると、金髪で背の高い、妙にヘラヘラした男が立っていた。
Tシャツにヴィンテージっぽいデニム、履き込んだスニーカー。
耳には大量のピアス、手にはゴツいシルバーのアクセがじゃらじゃら。
見るからにチャラい。
「酒井美緒さんだよね? 俺は深田恭一(ふかだきょういち)っていうんだけど…」
「人違いデス」
年上だろう男を睨み上げながらはっきり言い、あたしはまた歩き出す。
さっきより少し早足で。