「きゃぁっ、アズ様!
 おはようございます」


「ん、おはよー」





……慣れ、というのは怖いもので。



寮生活が始まって2週間、桜花学園の生徒となって1週間。


もう、男子と二人で寝るのも、女の子たちに騒がれるのも慣れてしまった。



今日も洸と二人で校舎に向かっていると、すれ違う女の子がみんな挨拶していく。


それに笑顔で返せるようになった。



「アズ、もうすっかりここの生徒だね。
 中等部からいたみたい」


「協調性を逆手に取るのが、集団生活のポイント。
 これあたしの持論だからな!」