今日は、ウィンターカップ予選当日。
会場場所と時間をインターネットで調べて、あたしは制服で向かう。
私服で行っていいのかわかんなかったから、制服で行けば怒られることはないだろうと思って。
会場は最寄り駅から三つ先の駅にある、市民体育館。
コピーした地図を見ながら、市民体育館にやっと着いた。
ど、どこから入ればいいんだろう……。
こういう会場に来るのが始めてのあたしには、入り口がどこなのかさっぱり。
「あれ? 矢野さん?」
声がした方を振り向けば、目を丸くしている赤木優斗くんが立っていた。
「ゆ、優斗くん、あの、ど、どっから入ればいいのかなっ?!」
「……ぷっ。応援、来てくれたんだっ」
「う、うんっ。みんなには、すごい優しくしてもらったからっ」
「……優しく、ねぇ」
優斗くんはクスクスと笑う。