翌日、あたしは翼くんと話しづらくて、昼休みは一人美術室で食べた。

『絵、完成させたいから』

なんて嘘ついて。


教室でも、目を合わせない、話さない。

たぶん……翼くんも、あたしと同じで避けてる気がする。



久しぶりの昼休みの美術室は、とても寂しかった。



昼休みが終わって、教室に戻ろうとすると、2組の前に若葉ちゃんが立っていた。


「……舞」

「ごめん……あたしには、ダメ、みたいっ」

「〜ッ、バカっ!!」

えっ?!

若葉ちゃんは、目に涙を溜めて、キッとあたしを睨む。

「ダメみたいって……っ、まだ、一回じゃんっ!! 一回伝わらなかっただけで、諦めないでよっ!!」


そして、悔しそうに言った。




「あたしはッ、何度伝えても届かなかった……ッ」




それだけ言って、若葉ちゃんは3組の教室へと駆け込んだ。