今日も夏の太陽は、真上から光の直撃弾を大地に叩き付け、風は何食わぬ顔で稲穂の大海を撫でる。
 あれだけ強烈な、現実味の激しく欠落した体験をしたと言うのに、今日の憲治は、いつもの様にだらだらと身の入らない監視をしている。そう見える。
 「USAF(アメリカ空軍)」のロゴの入った黒のキャップを深くかぶり、まぶしげに目を細める憲治。
 本当の所、憲治自身、昨日までの出来事が事実ではない様な気がしていた。