「邪魔」



無表情でそう言い放った私に、目の前の彼は眉をあからさまに下げる。


まるで捨てられた小犬のように瞳をうるうるさせながら私をじっと見つめてきた。



「ひ、酷いっ……俺、せっかく走ってきたのに……」


「頼んでない」


「もーカナコってば、ちょっとは優しくしてあげなよぉ」



きっぱりと言う私をみかねたクラスメイトが、目の前のウザい男を構う様に入ってくる。